国際競走あれこれ

 まだわかってない人がいるようなので、適当に触れておくか。
 「海外からの出走がないから開放する意味ない」と言ってる奴はJRAの解放政策のなんたるかをまったく理解してない。外国調教馬を呼ぶために国際競走にしているのではなく、国際競走として行うためだけに国際競走にいているだけ。JRAにとっては、むしろ出てきてもらわないほうがありがたい。JCなんかはICのレースレートを上げるために積極的に強い馬から選出しているけれど、毎日王冠大阪杯で積極的に馬を呼ぶなんてするわけがない。
 何で国際化するかっていうと、「パート1国」という国際的な格付けを得るため。これになると、日本国内で開催される(恐らく地方も含む)レースのグレードが、そのまま国際グレードになる。例えば、今はJCは国内GIでかつ国際GIだけれど、スプリンターズSは国際グレードをもらってなかったんじゃなかったと思った。それが、パート1入りすると自動的にスプリンターズSも国際GIになる。
 日本と香港は、今そのパート1を目指してJCに馬呼んだり国際競走増やしたりをしているけど、オーストラリアなんかは既にパート1でメルボルンCなんかをのんきに超お祭りでやっている。パート1入りする条件に、重賞競走の何割か以上が国際競走でなければならないというのがあり、それをクリアするために武蔵野Sだの阪神大賞典だのという「誰が出てくるんだよそんなレース」というレースが国際競走になっていたりするのだ。
 んで、パート1入りして国際グレードをもらうと何になるかというと、まず種牡馬の価値が上がると思われる。例えば、キングカメハメハが豪州にシャトルで輸出されるとして、"JapanDerby LGI","NHK MileCup LGI"という2つのローカルGIだけではどうにも価値が低いし、ローカルGIではICももらえない。そもそも、オーストラリアの人は日本ダービーやNHKマイルカップなんて気にするわけがない。ところが、日本がパート1国となり、ドバイから日本ダービーに挑戦とかされると俄然注目度もアップ、オーストラリアンも「おお、あの日本ダービーを勝ったキングカメハメハか!」とキンカメ大人気。雑誌の裏の広告みたいに解説するとこんなもんか。種牡馬の価値が上がれば、繁殖の価値も上がるしセールに外国人が参加しての売り上げアップも期待できる。日本が超不況でも、香港が超バブルなら香港から買い手がつき、ある程度のリスクヘッジにもなる。
 どうせ誰も来ないんだ、ガンガン開放しちまえ!んなこと言ってクラシックを開放した途端に、ゴドルフィンに制圧される日本ってーのも悪くない。つーか、船橋ドバイミレニアム産駒入れやがれ。シーチャリで制圧できるほど日本競馬は甘くないぜ。