想いはひとつ、頂点への道

東スポ 写真コラム ナリタトップロード落馬の瞬間
懐かしいな、渡辺にまつわる数々の大騒動が。
涙のダービー、そして栄冠をその手に掴んだ菊花賞京都記念ではテイエムオペラオーより1キロ重い斤量で惜敗し、いつかは逆転すると思われ続けた。阪神大賞典ではオペラオーを追いかけラスカルスズカに差し切られ、天皇賞ではオペラオーを出し抜こうと菊花賞のような競馬でまたもラスカルに差し切られ。またも僅差で負けた京都大賞典。京都のアタマ差・クビ差は二度と逆転することはなかった。雨に泣いた秋の天皇賞。1年も重賞勝ちから遠ざかり、JCを除外されステイヤーズSに回ったら、明らかに格下のホットシークレットタガジョーノーブルサンエムエックス、「三羽烏」と呼ばれた先行勢をまとめて差し切ることができなかった。「渡辺氏ね」物凄い罵声が掲示板を埋め尽くした。
的場均に乗り替わりとなってしまった有馬記念。あれは沖師からの「的場でも勝てないんだから、渡辺を責めないでくれ」というメッセージだったのかもしれない。
年は変わり、前年のダービー馬アグネスフライトを捕らえずマックロウにまで差し切られた京都記念。目の覚めるような8馬身差レコードで圧勝の阪神大賞典。そして「今年こそオペラオーに負けない」と挑んだ2001年春の天皇賞。忘れもしない。
テイエムオペラオーアドマイヤベガには末脚でかなわない」という思いがあったのだろうか。果敢に抜け出しをはかり、そのまま押し切ろうとする競馬。アドマイヤベガの出ていないレースでは、結局一度もテイエムオペラオーに勝てていない。レース直前からスコールのように降り出した雨は「飛びのきれいなトップロードには不利」と思われた。そんなこと関係ない。いつも通りの積極策。今度こそ、今度こそ宿敵テイエムオペラオーを真っ向勝負で負かすんだ。先に抜け出すナリタトップロード、迫り来るテイエムオペラオー
そして「第二次渡辺祭り」となった01京都大賞典東スポの写真記事)。ステイゴールドテイエムオペラオーに先着してしまったり、物凄いレースだった。その後は復活のJC3着や、ライバルたちが引退しても春の天皇賞で3年連続3着を記録するなど6歳まで現役で大きな怪我もなく活躍。その年の有馬記念で引退も、一時復帰説が流れたり話題に事欠かない馬だった。