というわけで

ここひと月はダイアモンドターン、バルクとナイトの日経賞、マカイビーのエイプリルS、そしてデープの皐月と競馬場で様々な角度から観戦してきたわけですが、指定席や砂被りで見てると色々思うことがあるわけですよ。

↓馬主エリア
↓記者マスコミエリア
↓ゴンドラ
↓指定
↓一般

このような配置になっているわけだけれど、記者マスコミを除外すると、上から順に経済規模が大きく一人当たりの掛け金が大きいものと思われる。浅田次郎は著書というかインタビュー集の中で「指定席を利用する人間こそ、掛け金が大きいのだからパドックやレースを見やすくしてより楽しんでもらえるようにすべきでは」みたいなことを言っていたが。浅田氏も海外通を自称しているので、イギリスなんかの競馬場では入場料金別に入れるエリアが区切られていて、高いほどゴール前みたいなそんなシステムを理想としているのか。まあ、とにかく一般市民向けの活字媒体にもかかわらず自分の掛け金の大きさと収支を自慢する人で、寺山とはまた違った感覚で読める「馬券オヤジ回想録(←こんなタイトルじゃないよ)」、競馬に対する考えをきっちりと持っている人にはおすすめできない。話が逸れた。日本競馬、特に中央競馬は大衆娯楽として確立し、金持ちの道楽というよりは完全に庶民の遊び。会社で負け組の40のオッサンも、レースでバッチリ的中させればその一瞬は完全な勝ち組。仕事ができなくても、草野球で活躍できなくても、何の特技のない人でも瞬間的な優越に浸ることができる。これが浅田とは逆で寺山の「サラリーマン一点豪華主義」の思想。ウインズ・競馬場でパドックを見て、返し馬を見てから発走までに考える時間と馬券を買う時間が与えられていて、「馬券買え」という中央競馬からの暗黙の圧力に気付かず永遠に馬券牧場をグルグル回る馬券オヤジに特化したシステムこそが中央競馬の集金システムで重要な部分だったりする。
つまり、上記の「一人当たりの購入額」の順序が「その集合の馬券購入額の合計」では

↓場外
↓場内・一般
↓指定
↓ゴンドラ
↓記者マスコミエリア
↓馬主エリア

こんな風になるからこそ、不可視な買え買え光線でJRAは「入場料が安いエリアにこそ馬券検討に重要な情報を」という人の押し込め方をしているのだ。ウインズ・PATは本当の競馬の楽しみ方じゃないとか思う人いるかもしれないけどさ、支援ソフトで合成オッズ出したり金額の配分してくれたりとPATは何かと便利なのよ。携帯版のPAT支援ソフトとかあったらバカ売れだと思うよ。場外ってのは入場料タダだし、街に出たついでに買えるとかあるし、出入り自由で周囲にいろんな施設あるし。日本には色んな競馬の楽しみ方があるんだよね。海外のそういう「競馬文化」に興味がないわけじゃないけど、言い出すとまたアレだから。
ああそうそう、ダイアモンドターンはマジおすすめよ。昼間っから夜まで、座って紅茶飲みながらだらだら競馬できる。勝ったらワインボトルとか開けて、超優雅。