素直に納得

日本ウマ科学会・第18回学術集会レポート・その1Brain Squall

9)ディープインパクト
・出自の完璧さが目立つ。またファン気質の変化が伺える。頑張れば報われる的な世相を反映した自己投影の対象としてではなく、優れたアスリートとして評価され、ファンに支持されている。個人的に好感をもったNHKスペシャルを見ても、アスリートとしてのディープインパクトを追ったものである。

ゴルフだとかスケートだとかでも、少数のスターを前面に押し出すことによって全体の人気かのようになってるね。ゴルフは宮里だとかのプレーを、スケートはミキテイの演技なんかだけを見ても魅力あるものなんだし、アイドルっていう側面以外にも、単体の英雄像を歩かせることによって、そのスポーツに興味がある人以外にも見せることができ、その魅力を伝えることができるわけか。
別にスケート興味なくても「かわいい女の子」が「無限の可能性」というキーワードに釣られてついつい目に入ってしまう。スーパースターを露出させる効果ってのは絶大で、テレビも雑誌も勝手に取り上げてくれるし、広告効果も物凄くなるわけだ。
中央競馬の売り上げが年々下がり、地方競馬も相次いで潰れる中、競馬場に人を呼び込む英雄として祭り上げ中のディープインパクトさんも、スーパースターで広告塔様待遇を受けているわけだ。

JCをスキップしたことが大して問題視されなかったことからも、期待が国内ではなく、すでに来年予定されている海外遠征にファンの気持ちが向かっていることがうかがえるという締めで口演は終了した。

個人的にはJCスキップは「おいおいおいおい」ってな感じなんだけれど、同意してくれる人がほとんどいないからやっぱり少数意見なのかってのはさておいて、ぶっちゃけディープインパクトさんが海外遠征しても、中央競馬には何の得もないわけでしょう?地上波で糞深夜とか早朝に、欧州や米国のディープインパクトが出走するレースを放映してくれるのか?話題性的にはありだし、むしろそれくらいまでやらないと救世主っぽくないよなぁ。
救世主として働かせるなら、むしろジャパンカップ有馬記念と勢いのあるうちにバンバン露出させて、一般に認知させるくらいやらないといけなかったのに、有馬記念の次の舞台は恐らく無難に阪神大賞典大阪杯有馬記念を勝ったら、もう国内に敵はいないとか言って(ロブロイ・タップ引退で本当に敵なし)、本拠地を海外に移して芝でもダートでも世界最高峰を目指すべきだと思うんだけれど、やっぱり日本のレースの片手間で凱旋門賞とかにスポット参戦するだけなんだろうね。これじゃあWTRRで頂点に立つなんて難しいよ。これだけのお馬さんが出たんだから、世界の頂点狙うのが「アスリート」の筋ってものだと思うんだけれども、やっぱりディープインパクトは「プロ」で終わりそうな気がする。
馬券の支持率ぐらいしかインパクトのあることしてないんだから、「ディープインパクトは強い馬だった」という記憶だけではなく、「ディープインパクトは凄い馬だった」という記憶に残る名馬を目指してみては、と思う。残ってるのは、日本産かつ日本調教馬で欧州GI制覇、日本調教馬で凱旋門賞、BC、ドバイWCのいずれかを制覇くらいしかないんじゃないかな。