ディープインパクトが打ち立てた記録

ついに、ディープインパクトは「三冠を達成した年に古馬と対戦して一度も勝てなかった馬」という記録を作ったわけだ。だからどうしたというわけじゃない。ディープインパクトが勝つために有馬記念があったわけじゃないんだし、主催者がわからこうも楽しみ方を強要されると面白いものも色がついて見えてしまう。
ディープインパクトが嫌いなわけじゃない。むしろ、皐月賞やダービー時のパフォーマンスなんかは好きな部類。でも、皆が三冠馬ディープインパクトが勝つのを見にきているかのようなやり口はやめてほしかったと思うね。無敗の三冠馬ってったって、シンボリルドルフですら三歳時のJCじゃ4番人気じゃねえかよ。競馬ってコンテンツは、色々な楽しみ方があるんだよ。ディープ萌えでわざわざ徹夜して駆けつける奴、ハーツクライが好きで好きで仕方がない奴、デルタブルースを応援してるよって奴。売り上げ金がある程度下げ止まったからって喜んでるんじゃねえよ。ディープインパクトの広告費にいくらかけてるんだよ。大事なのは第二国庫納付金だろ。
(12/27)不敗神話が終わって…

特に中山は、16万人を超える大観衆を飲み込みながら、売り上げは前年を15%下回った。あくまでも推測だが、混雑を嫌ったリピーターは場外や電話投票に流れ、少額しか買わないにわか(?)ファンが、スタンドを埋めていたことになる。

競馬が一頭を中心とするストーリーだという考え方は否定しない。現に、どのスポーツもスポーツそのものの魅力よりは選手のパーソナリティを前面に押し出す売り方をしているから。でも、その売り方で通用するのは、その選手のいる間だけで、しかも国内という内側に押し出すと、その選手が正義で他の選手はそいつを邪魔する悪のプレイヤー、という見られ方をされかねない。これが海外に向かえば、パーソナリティを前面に押し出しつつ、ナショナリズムも乗せて大きく賑わう。でも、ディープインパクトに海外に出られたら、中央競馬会的には馬券を売れないから困るわけだ。
馬券を売りたいのなら、上策は既存の顧客の囲い込みのはず。年間で最大の売り上げを誇る有馬記念で顧客を逃がすような事態というのは、相当な痛手のはず。しかも、16万人の来客に対しどれだけ満足を与えられたか、という点にも?マークが浮かぶ。
ディープインパクトの人気に頼り、ディープインパクトが出走レースで正義の競馬をしてくれるかのような煽り方をした結果が、売り上げの下回りとディープの敗戦だ。マーチンゲールでもやってたんじゃないかと思ってしまう。まあ、皐月賞以来続くこの加熱はしばらく息を潜めるでしょ。