600円で取り戻せる青春「僕は友達が少ない」

あまり数多くのラノベを読んでるわけじゃないけれど、自信を持って「俺が求めていたラノベはこれだ!」と叫べる作品に、ついに出会えた。
僕は友達が少ない」だなんて、あまりにもストレートすぎるタイトル。そのタイトルと、帯に書かれた「残念」という言葉に惹かれ、新宿とらのあなで会計待ちで並んでいる時ついつい手にとってしまった。
1巻の冒頭こそキャラ紹介でゴチャゴチャしてわかりづらいんだけれど、本編が始まってから出てくるキャラクターがとにかく残念、残念すぎる。
この作品は、スペックは高いのにその残念すぎる性格が災いして友達がいない高校生たちのお話。ナナメ読みで部員募集のポスター作ったり、それを見て部室を訪ねてきた女の子を「リア充は死ね!」と言って締め出したり、エア友達を自信満々に紹介したり。開始10ページでヒロイン二人が吐瀉物をぶちまけ、ギャルゲーを始めればその登場人物の女の子に嫌がらせを始める。
本当にどうしようもなく残念な登場人物だらけで、でもそういう彼ら彼女らがものすごくかわいくて。「化物語」の神原駿河や「バカとテストと召喚獣」の姫路瑞希が好きな人なんかは、もしかしたら気に入ってもらえるかもしれない。
基本ストーリーは皆無、「生徒会」シリーズのようにほぼ部室での会話劇。良作とは決して言えないけれど、こういうのが好きな俺にはたまらなく魅力的な作品。
バカとテストと召喚獣」で言うところの木下秀吉みたいなキャラもいるけれど、ああいう「本人は男を主張しているんだけれど、どう見ても女の子にしか見えない残念な子」は流行なのかな。他にどんな作品に出てるか気になるところ。
2巻はちょっと下ネタが多めだけれど、ちゃんと最後までテンポ良くゆるーい感じで読める、とても素敵な作品が「僕は友達が少ない」、3巻以降にも期待。
僕は友達が少ない (MF文庫J) 僕は友達が少ない 2 (MF文庫J)