三冠馬オルフェーヴル様誕生に言寄せて

ディープインパクトの時には感じなかった「お見事」「あっぱれ」という言葉がいの一番に出てくるオルフェーヴルの三冠制覇であったと思う。
物語としてはナリタブライアンによく似ているだろうか、最初は手探りであったりなかなか勝ち切れなかったものの、勝ち方を極めるとあとは独壇場。全能力が他の馬を上回る、まさに「格が違う」からこそ三冠馬になれるのだろうなと、そう思う3分ちょっとだった。
日本の競馬史において、やはり三冠馬とそれ以外とは大きく区別される。これでオルフェーヴルは、その時代を象徴するマイルストーンとなる馬となった。セントライトシンザンミスターシービーシンボリルドルフナリタブライアンディープインパクトと並べてその名前が記され、その功績は日本に競馬があり続ける限り讃えられ、語り継がれる。ディープインパクトの後は、ウオッカでも、ヴィクトワールピサでもなく、オルフェーヴルなのである。
持論としての菊花賞反対派というポジションを崩すつもりはないが、しかし同時に競馬は物語でありドラマであり、エンターテイメントなのであると顔を上げて確認するに十分な素晴らしいレースであり、レース後の「落馬」であった。強ければそれで良いわけではない、目の前を走る競走馬という「個」を、忘れてはいけないのだ、と。
それにしても、レース後の池添謙一騎手の晴れやかな表情は清々しいものであり、あんなに「池添キモッ」とか言っていた自分ですら「この人が世界一のイケメンなのではないか」という感覚が一瞬だけ頭を過ぎった。先週「ホエールキャプチャでチキンな騎乗したら一生笑ってやる」と発言したのを、悔やんでしまうくらい「イイヤツ」がそこにいた。
オルフェーヴルの物語はここで終わったわけではない。これから、三冠馬オルフェーヴルとしての挑戦が始まる。古馬との対戦、来年は下の世代との対戦、そして海外挑戦なんかも「義務として」課されてくるだろう。ただ、今日だけはオルフェーヴル号、池添謙一騎手、池江泰寿調教師、そして出資者や生産され育ててきた方々にこの言葉が一番よく似合うはずだ。
「おめでとう」
月並みな文章ではあるけれど、日本の競馬に新たな歴史が誕生した日にきっちりと文章に残すことは、自分にとっても記録になるので書いてみた。



オルフェーヴル@芙蓉ステークス(再掲)
というわけで、手持ちの写真唯一まともに撮れている芙蓉ステークスのものをトリミングしてフォト蔵のほうに再掲してみた。後の三冠馬様、である。

その他、菊花賞雑感など。

ひとつ前の三冠馬ディープインパクト池江泰寿調教師の父・池江泰郎元調教師が管理していて、オルフェーヴルの父ステイゴールドと母父メジロマックイーン池江泰郎元調教師が管理していたというエピソードあたりは、人馬による血のドラマといったところだろうか。
また、オルフェーヴルの血統の話で、ステゴマックではないあまり語られない側の好きな記事を。
金色の勝利 - まったり血統派の茶飲み話


打倒オルフェーヴルを期待していたウインバリアシオントーセンラーはいずれもヤシマソブリンエアダブリンみたいな内容に。馬券は、ロッカヴェラーノショウナンマイティあたりに振り幅が広くなり、本線であるがトリガミをなんとか回避するのみ、既に夜の弁当代に消えてしまった。
フジテレビの正面からの映像でキムタケが物凄いフォームで追ってて思わず笑ってしまった。園田の騎手はみんなあんなんなの……。