有馬記念を前にして池添謙一騎手の騎乗停止期間がJRA換算実効ゼロ日になったことについて

香港スプリントカレンチャンに騎乗した際に、「不注意騎乗(残り900m付近で内側に斜行し、エントラップメント号の走行に影響を与えた)」として香港ジョッキークラブから3日間の騎乗停止処分を受けた池添謙一騎手。ファンの関心は、当然三冠馬オルフェーヴル有馬記念の騎乗はどうなるの?ということに集まるわけだが――
池添 謙一騎手の騎乗停止処分について - JRA

香港ジョッキークラブ裁決委員から、2011年12月26日(月)から2012年1月4日(水)までの騎乗停止処分を受けました。

なんと25日の有馬記念どころか1月5日の金杯の日も騎乗OK、JRAの開催日は騎乗停止がゼロ日という処分に。何故だ、有馬記念を盛り上げたいJRAと池添からの乗り替わりを避けたい社台の陰謀だとか思う気持ちもよくわかる。しかし、ただ単にルール上可能なことを最大限活用しているだけなんですよねこれ。

香港は騎乗停止の処分を受けた際に、受けた側がその期間を選ぶことが可能

池添騎乗停止も有馬には騎乗 - スポーツ報知

現在、海外ではビッグレースが続く場合、騎乗停止となっても処分期間をスライドできる“ルール”になっている。このため同クラブは、有馬記念翌日の26日から1月4日までのうち、3日間の騎乗停止とした。

騎乗停止処分を受けた翌週から自動的に始まるJRAとは違い、香港ではこのようなルールがある。どこかにも書いてあったけど、ヨーロッパでは斜行などで騎乗停止処分を受けても、抗議すればその裁定が出るまで騎乗は可能で、例えば大レース前に処分を受けた騎手が覆る見込みがなくてもとりあえず抗議して乗りたいレースには騎乗する、という意図的な処分期間ずらしが当然となっている。香港では、どうせ意図的にずらされるのであれば、あらかじめ期間を指定できるようにしておけば抗議に対する裁定を行うコストが減る、ということでこういったルールが制定されているはず。
このルール、勝手に選べるなら制裁の意味がないという意見もわかるんだけれど、個人的には大レース前に騎乗停止を恐れて敢闘精神がなくなるといった影響があるかもしれないので、あってもいいかなとは思う。
ちなみに、どうして有馬記念翌日から金杯前日にできるのかというと、香港では12/27(Sha Tin)、1/1(Sha Tin)、1/4(Happy Valley)という開催日程となっているため、騎乗停止期間としてその3つを選ぶとちょうどJRAの開催に影響ない範囲にできてしまう。*1
池添騎手が有馬記念に問題なく乗れるどころか、騎乗停止期間がJRAの開催日に影響がなくなっているメカニズム、おわかりいただけただろうか。

*1:26日も乗れないのは、開催の前日からというルールがあるのだろうか?