2019年秋季競馬番組 各クラス競走回数増減表 賞金額増減表

各クラス競走回数増減

開催 クラス 18年 19年 増減 備考
4回中山 2歳新馬 13 15 2 ダ1、芝1増
4回中山 2歳未勝利 22 24 2
4回中山 2歳1勝C 2 2 0
4回中山 2歳OP 2 2 0
4回中山 3歳未勝利 13 0 -13
4回中山 3上1勝 28 33 5
4回中山 3上2勝 13 16 3
4回中山 3上3勝 5 5 0
4回中山 3上OP 6 7 1 3週目ながつきS(ダ1200)
4回中山 障害未勝利 3 3 0
4回中山 障害OP 1 1 0
4回阪神 2歳新馬 13 15 2 ダ1、芝1増
4回阪神 2歳未勝利 21 23 2
4回阪神 2歳1勝C 1 1 0
4回阪神 2歳OP 2 2 0
4回阪神 3歳未勝利 13 0 -13
4回阪神 3上1勝 29 33 4
4回阪神 3上2勝 13 16 3
4回阪神 3上3勝 6 7 1 竹田城S(ダ2000)
4回阪神 3上OP 6 6 0
4回阪神 障害未勝利 3 4 1
4回阪神 障害OP 1 1 0
4回東京 2歳新馬 17 18 1 ダ1増
4回東京 2歳未勝利 26 26 0
4回東京 2歳1勝C 2 2 0
4回東京 2歳OP 3 3 0
4回東京 3上1勝 26 26 0
4回東京 3上2勝 17 17 0
4回東京 3上3勝 8 8 0
4回東京 3上OP 7 7 0
4回東京 障害未勝利 1 0 -1
4回東京 障害OP 1 1 0
4回京都 2歳新馬 18 18 0
4回京都 2歳未勝利 25 26 1 ダ1800追加
4回京都 2歳1勝C 4 4 0
4回京都 2歳OP 2 2 0
4回京都 3上1勝 24 23 -1
4回京都 3上2勝 18 18 0
4回京都 3上3勝 8 8 0
4回京都 3上OP 7 8 1 2週目に太秦S(ダ1800)
4回京都 障害未勝利 1 1 0
4回京都 障害OP 1 0 -1
3回新潟 2歳新馬 3 3 0
3回新潟 2歳未勝利 14 14 0
3回新潟 2歳1勝C 0 0 0
3回新潟 2歳OP 0 0 0
3回新潟 3上1勝 41 37 -4
3回新潟 3上2勝 3 6 3 菅名岳特(D18牝)柏崎特(D16)鳥屋野特(D18)
3回新潟 3上3勝 1 1 0
3回新潟 3上OP 2 2 0
3回新潟 障害未勝利 6 6 0
3回新潟 障害OP 2 3 1
5回東京 2歳新馬 16 16 0
5回東京 2歳未勝利 28 28 0
5回東京 2歳1勝C 6 6 0
5回東京 2歳OP 2 2 0
5回東京 3上1勝 11 11 0
5回東京 3上2勝 17 17 0
5回東京 3上3勝 7 7 0
5回東京 3上OP 6 6 0
5回東京 障害未勝利 1 1 0
5回東京 障害OP 1 1 0
5回京都 2歳新馬 16 16 0
5回京都 2歳未勝利 29 29 0
5回京都 2歳1勝C 4 4 0
5回京都 2歳OP 3 3 0
5回京都 3上1勝 10 11 1
5回京都 3上2勝 16 17 1
5回京都 3上3勝 8 8 0
5回京都 3上OP 8 6 -2 JBC3競走がみやこS
5回京都 障害未勝利 0 1 1
5回京都 障害OP 2 1 -1
3回福島 2歳新馬 3 3 0
3回福島 2歳未勝利 12 13 1
3回福島 2歳1勝C 1 1 0
3回福島 2歳OP 1 1 0
3回福島 3上1勝 42 38 -4
3回福島 3上2勝 3 5 2 西郷特(D1150)会津特(芝1200)
3回福島 3上3勝 1 2 1 奥羽S(ダート1700)
3回福島 3上OP 2 2 0
3回福島 障害未勝利 6 6 0
3回福島 障害OP 1 1 0
5回中山 2歳新馬 17 18 1 芝2000
5回中山 2歳未勝利 35 36 1 芝1600
5回中山 2歳1勝C 6 6 0
5回中山 2歳OP 2 2 0
5回中山 3上1勝 14 12 -2
5回中山 3上2勝 17 17 0
5回中山 3上3勝 8 8 0
5回中山 3上OP 7 7 0
5回中山 障害未勝利 0 0 0
5回中山 障害OP 2 2 0
5回阪神 2歳新馬 16 17 1 ダ1800
5回阪神 2歳未勝利 35 36 1 ダ1800
5回阪神 2歳1勝C 7 7 0
5回阪神 2歳OP 2 2 0
5回阪神 3上1勝 14 12 -2
5回阪神 3上2勝 18 18 0
5回阪神 3上3勝 8 8 0
5回阪神 3上OP 6 6 0
5回阪神 障害未勝利 2 2 0
5回阪神 障害OP 0 0 0
5回中京 2歳新馬 3 3 0
5回中京 2歳未勝利 12 12 0
5回中京 2歳1勝C 3 3 0
5回中京 2歳OP 0 0 0
5回中京 3上1勝 39 36 -3
5回中京 3上2勝 6 7 1 犬山特別(ダ1900)
5回中京 3上3勝 2 3 1 飛騨S(芝1400)
5回中京 3上OP 2 2 0
5回中京 障害未勝利 4 4 0
5回中京 障害OP 1 2 1
合計 1055 1055 0

メモ

2歳新馬 +7 (芝3 ダート4)
2歳未勝利 +8
2歳1勝C、2歳OP 増減なし
3歳未勝利 -26
3歳上1勝C -6
3歳上2勝C +13
3歳上3勝C +3
3歳上OP -2 JBC3競走がみやこS
障害未勝利 +1

雑感

2歳の新馬・未勝利が15レース増えたので、500万とOPクラスの馬増えそう。レースが増えたことで新馬・未勝利戦の出馬もしやすくなるのではないか。
ダートのレースが増えているのが意外……というか、減らした分をバランス良く振り分けないと芝コースの保護に影響が出ますよね、そうですよね。
古馬2勝クラス、増えてるのダートばかりなのでまた準OPがしんどそう。
秋の中山・阪神で増えている古馬2勝クラスは平場。
秋の新潟・福島で古馬2勝クラス特別戦が増えて、番組が少し厚く。
2歳の1勝以上レースに変更なし。

賞金額増減

単位(千円) 18年 19年 増減
4回中山 2,245,440 2,337,740 92,300
4回阪神 2,129,010 2,222,880 93,870
4回東京 2,544,340 2,562,980 18,640
4回京都 2,506,260 2,527,710 21,450
3回新潟 1,175,150 1,220,100 44,950
5回東京 2,441,190 2,460,240 19,050
5回京都 2,602,360 2,311,240 -291,120
3回福島 1,214,150 1,243,420 29,270
5回中山 2,844,970 2,854,070 9,100
5回阪神 2,259,780 2,267,380 7,600
4回中京 1,395,060 1,429,780 34,720
合計 23,357,710 23,437,540 79,830

雑感

実際の数字としては約8000万円の増額、JBC京都(約3億円)がなくなった分を考えなければ、賞金額はだいたい4億円くらいの増額ということになるか。
スーパー未勝利をやめた中山・阪神で9000万円強ずつ賞金が増えていて、秋の新潟・福島合計で7500万円くらいの増額となっている。なんだ、スーパー未勝利やめて上級の条件増やしたほうが馬主サイドの取り分は増えるんだな。
古馬2勝クラス平場戦の1着賞金が1050万円→1100万円などもきいているか。
JRAさんまだお金余ってますよね! もっと増額しましょう!

ダーレーキャッスルパークに完成した坂路のパワーを、数字で。

ダーレーキャッスルパークの坂路コースは今年から本格稼働

ゴドルフィンの日本馬を育成するダーレーキャッスルパークに坂路コースが完成したと、今年のPOG本に書いてありましたね。

昨年12月に屋根付きウッドチップ坂路(1200m)が完成しました。勾配は平均4%です。
競馬王編集部編「競馬王のPOG本 2019-2020」 P112より

その威力・効果・パワーがいかほどか、数字で。

2013~2019年の6~7月の「馬主:ゴドルフィン」2歳戦の着度数

(2017年までは「H.H.シェイク・モハメド」名義、2018年からは「ゴドルフィン」名義)

1着 2着 3着 出走回数
2013 3 1 0 11
2014 0 0 2 10
2015 2 0 0 10
2016 1 1 1 7
2017 1 0 0 1
2018 0 0 0 2
2019 3 4 2 24

2017~2018は坂路完成前であまり早く馬を仕上げられなかったのだろうか少なめだが、坂路が完成してからの育成となった今年の2歳馬は同時期にこれまでの倍以上の24頭がデビュー。しかも、芝の1800m以上の勝ち鞍は今年のダーリントンホールが初めて。これが、Mr.マ○ックも驚きの「坂路パワー」なのか……。

【参考】その他、同条件の他の勢力の数字

サラブレッドクラブ・ラフィアン

2000年以降同条件の勝ち度数が82勝とダントツナンバーワンなんだけれど、ここ最近の早期デビュートレンドを考えると出走回数含め伸び悩み。やはり育成がイマイチというご意見多し。


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サラブレッドクラブ・ラフィアン 2000-2019 6~7月の2歳戦出走回数と着度数5年移動平均

1着 2着 3着 出走回数
2000 8 3 4 33
2001 1 1 1 23
2002 3 3 5 41
2003 3 3 7 43
2004 4 2 5 24
2005 4 6 3 45
2006 8 6 2 46
2007 4 1 0 37
2008 0 3 1 16
2009 2 1 3 20
2010 5 3 2 37
2011 1 5 3 35
2012 6 4 5 56
2013 7 4 6 38
2014 3 7 9 42
2015 5 3 3 34
2016 5 11 7 51
2017 8 2 3 45
2018 2 0 4 49
2019 3 2 1 31

社台レースホース

出走回数は早期デビュートレンドに合わせてきっちり伸びるも、出走成績自体はここ数年ダウントレンド。ダーレーキャッスルパーク同様、坂路コースの施設拡充の影響? 完成でどこまで巻き返せるか。

社台レースホース 2000-2019 6~7月の2歳戦出走回数と着度数5年移動平均
社台レースホース 2000-2019 6~7月の2歳戦出走回数と着度数5年移動平均

1着 2着 3着 出走回数
2000 1 1 0 4
2001 0 0 0 3
2002 0 1 0 4
2003 0 0 0 3
2004 1 3 0 6
2005 0 1 2 13
2006 0 1 1 5
2007 4 0 0 9
2008 0 1 1 4
2009 1 1 0 4
2010 0 0 1 3
2011 0 0 0 3
2012 0 1 1 4
2013 3 0 2 15
2014 3 2 1 11
2015 1 0 3 9
2016 4 0 2 13
2017 3 1 1 8
2018 0 1 1 11
2019 1 3 0 13

サンデーレーシング

他2馬主と比べて、JRAの2歳戦強化施策にしっかり乗れているここ数年のアップトレンド。大正義。

サンデーレーシング 2000-2019 6~7月の2歳戦出走回数と着度数5年移動平均
サンデーレーシング 2000-2019 6~7月の2歳戦出走回数と着度数5年移動平均

1着 2着 3着 出走回数
2000 0 0 0 3
2001 2 1 2 6
2002 5 0 1 18
2003 3 3 1 12
2004 6 2 1 12
2005 4 2 3 16
2006 3 2 1 12
2007 1 0 1 6
2008 1 2 3 12
2009 4 0 0 14
2010 2 2 2 10
2011 2 4 0 19
2012 2 5 0 16
2013 1 1 2 9
2014 2 2 0 11
2015 4 2 0 9
2016 4 1 0 18
2017 3 0 2 8
2018 5 5 4 23
2019 5 4 4 22

「JBC2歳優駿を門別競馬場で実施」は大丈夫なのかって話

〇新たにJBC2歳カテゴリーを創設
 JBC2歳優駿門別競馬場で実施

 JBC創設以来の宿願であった「JBC2歳カテゴリー」を、第20回記念開催を機に創設いたします。この競走は、生産との密接な関連というJBCの意義を鑑み、当面、我が国のサラブレッドの98%を生産する馬産地・北海道の門別競馬場で実施することとし、従来の北海道2歳優駿を発展させて実現するものです。
http://www.keiba.go.jp/topics/2019/03/18100000.html

ええっ……

北海道2歳優駿を「JBC2歳優駿」と名前を変えてJBC当日に門別競馬場で実施、JBC開催場(大井)と連携してよりJBCを盛り上げようって話なんだけれど、アイデアとしては面白い。その手があったかー、とは思えど実際にやるのは各方面つらそう。

JBC2歳優駿の出走馬にふさわしい馬はどうやって集めるのか

まず、なんと言っても「JBC2歳優駿の出走馬にふさわしい馬はどうやって集めるのか」が重要で、既存の北海道2歳優駿がベースだと「とてもじゃないが"JBCというお祭り"に見合う馬は集まらない」というのが現状。理由としては「JRA勢は読めない」「南関勢は門別まで来ない」「他地区の馬は能力的に足りない」という中で、北海道2歳優駿に向けてしっかりとレース体系組んである道営勢だけは毎年安定して「まとも」。そんなわけで交流競走の中でもJRA勢の勝率が低いのが北海道2歳優駿エーデルワイス賞の北海道の2競走なんだけれど、そのまま「JBC2歳優駿」として施行しても、道営ファン以外には「よくわからん道営勢とJRAの1勝馬のよくわからん対決」にしかならず、魅力的なレースになるとはとても思えない。

JRA勢は読めない

まず、11月頭に間に合う現実的なJRAのダート1勝以上の条件は2レースしかない。秋の阪神最終週のヤマボウシ賞(1400m)と、秋の東京前半2週目プラタナス賞(1600m)の2レースで、2018年基準であればプラタナス賞(10/13)から北海道2歳優駿(11/1)までは中2週未満と間隔は短い。ヤマボウシ賞は1400mで、北海道2歳優駿の1800mとはカテゴリが少しズレるし、中央勢には実質的なJBC2歳優駿のステップレースは中2週のプラタナス賞だけ、ということになる。しかも、東京でレースした直後の2歳馬を北海道まで運んでからまたレース、というキツい臨戦過程となり、プラタナス賞から駒を進めたエピカリスは全日本二歳優駿を回避することとなった。
では1勝馬の選出は……というと、同じような条件の馬がいすぎて登録しても選出されるかわからない。北海道2歳優駿の選出は2週間強前だが、トレセンに置いておいても同時期の中央ダートの1勝以上クラスのレースは、なでしこ賞(10/21京都ダート1400m)とオキザリス賞(11/10東京ダート1600m)の2鞍と選択肢は狭い上に条件に微妙なズレがある。選出されるかわからない北海道2歳優駿のためにいたずらにトレセンに置いておくわけにもいかないという陣営にとっては魅力的なレースではないだろうし、門別ダート1800の2歳重賞というのはJRA勢にとって遠いのである。
そもそもトレセンから遠い、ステップとなりそうなプラタナス賞・ヤマボウシ賞の勝ち馬は日程的・距離条件的に不利があり、1勝馬も選定は直前で不確定要素が高い、などの悪条件が重なり、JRA勢1番人気がミヤケとかいう2018年の北海道2歳優駿が出来上がってしまい、抜本的な策を練らないととても「魅力的なレース」とはならない。JRAが番組を変えてなんとかしてくれる……わけがないんですよ、ダートコースはJRAにとってサブトラックで、JBC2歳優駿のために番組をいじる理由はほぼ無い。JRAがなんとかすべき、というのであれば完全にNAR側の甘えである。

南関勢は門別まで来ない

11月の頭といえば、南関競馬ではちょうど10/17鎌倉記念(川崎1500m)→11/7平和賞(船橋1600m)→11/14ハイセイコー記念(大井1600m)と2歳重賞が始まる時期で、南関勢の有力どころは基本的にここを走れば良い。わざわざ門別まで輸送して、JRA勢も出るアウェーのJBC2歳優駿を使う理由なんてなさそう。賞金は北海道2歳優駿のほうが南関重賞より高いんだけれど、それでも使わない。
また、大井デビュー馬が大井の重賞競走などで優勝すると支払われる「大井生え抜きボーナス」の設定など、南関4場内・北海道・JRAを含めての有望な馬の獲得競争がある中で「JBCを使います」とはなかなか難しい。
「大井生え抜きボーナス」の支給について(’14 桃花賞) | News | 東京シティ競馬 : TOKYO CITY KEIBA

他地区の馬は能力的に足りない

これに関しては言わずもがな、南関・北海道以外の地区の馬は能力的にかなり落ちる。中央中心のファンを含めた魅力的なレースとするためには、他地区の馬でゲートを埋めれば良いというものではない。


そんなわけで、北海道2歳優駿がベースのままでは「JBC競走の1つとして魅力的なレース」にはなると思えず、かといってJRAから強い馬の出走を促し、南関勢が出走したくなるような魅力的な条件をNAR主導で作れるとはとても思えない。本当に、単に北海道2歳優駿の看板を変えただけのレースを「JBC」として見せて良いの?という疑問への解決は、果たしてなされるのかどうか。

開催当日のJBC主場と門別競馬場のリレーはどうするのか

まずは2017年と2015年の大井で開催されたJBCのタイムスケジュールを御覧いただきたい。

2017年
 7R 15:45 JBCレディスクラシック
 8R 16:25 JBCスプリント
 9R 17:10 JBCクラシック
12R 19:10 マルチカムパドックビジョン賞(大井最終)

2015年
 8R 15:10 JBCレディスクラシック
 9R 15:55 JBCスプリント
10R 16:40 JBCクラシック
12R 18:00 斎藤工剛力彩芽賞(大井最終)

さて、どのタイミングで門別競馬場でJBC2歳クラシックの発走時刻を挟むか。JBC当日の開催場は当然多くのお客さんで賑わっているわけで、その中でJBC競走以外のレースの売上も大きくしたい。「JBC競走」と銘打っているわけだし、レディスクラシックの前か、クラシックの後にJBC2歳優駿門別競馬場で発走させたいところだけれど、当然大井競馬場では前後のレースをやっているわけで、その場内の空気に完全に水を差すことになる。開催場としても「これから門別でJBC2歳優駿やります!」と来場者の興味を他場になど向けたくないだろう。
JBC主要競走の前後に2歳優駿を組みづらいのであれば、開催場の最終レースが終わってから……というのも、大井の実績では最終が終わってから発走としても2時間近く~3時間弱もJBCクラシックから発走時刻の隔たりができてしまう。これでは大井競馬場ではお客さんは帰しづらいし、門別競馬場の売上のために最終レースが終わった後も場内に人を留めておくのも色々と大変だろう。でも、せっかく開催場に集めたお客さんには門別の馬券も買ってもらいたいし、肝心のレースを見てもらう必要がある。JBCクラシックを大井最終レースにして次に2歳優駿を発走させるのは、最終レースというドル箱レースを開催場に手放させることになりこれも難しい。
開催場にはメリットが薄く、JBCに乗るだけの北海道競馬にばかりメリットがある施策が固定化するとなると、ますます南関4場の体力があるところでしかJBCができなくなるのではないか。

NARはJBC2歳優駿で何をしたいのか?

NAR(地方競馬全国協会)がJBC2歳優駿の門別開催で何をしたいのかがサッパリわからない。時期的にJRA勢も南関勢も出走しづらく、開催場はせっかくのJBCデーなのに門別に売上を吸われたり開催経費がかさんだり。JBC当日に門別でやるということは中央の有力騎手はメインの開催場に集まるわけで、地元道営勢としては更に有利にもなる。道営競馬JBC使って支援するためにしか見えないし、それも交流重賞写真判定で取り違えを起こしたところ、というのは恣意的なものを感じざるをえない。「生産との密接な関連というJBCの意義」というNARの謳い文句も、2018年にはJRAで開催してもらい、レースもJRA勢が上位をほぼ独占、地方での開催も大井ばかりという現状を見ると虚しいものだ。
JBCが創設されてから20年だというが、その間に北海道競馬は旭川競馬場を閉場、札幌競馬場での開催も行わないようになり、スタンドが小さく札幌からも遠い門別競馬場ではJBCを開催することもできない。JBC競走を行うとの触れ込みの門別の2歳戦だってJRA認定競走と交流競走ばかりだ。もちろん赤字などの問題もあるのはわかるが、最大の馬産地・北海道の競馬主催者としての矜持は北海道からは感じられないし、このタイミングで他場のリソースを使ってまで北海道競馬に肩入れするNARの姿勢にも疑問ばかりが残る。大学生が考えたジャストアイデアをそのまま採用したんじゃないか、それくらいの「各所利害調整ちゃんとした?」感。
南関4場はNARなど必要ないくらいに自立したシステムを有しているわけで、NARなんぞなくても困ることはあまりない。この「吸い上げ」がきっかけで南関4場まるごとNARから離脱、みたいな残念なことにならないことを祈る。*1

*1:競馬法23条で「都道府県又は指定市町村は、次に掲げる金額を地方競馬全国協会に交付しなければならない。」と書かれているため、NAR離脱はかなり難しいっぽいが