イギリス競馬書斎観戦記2022/05/04 Chester競馬場

重要レースはCheshire Oaks(Listed)Chester Vase Stakes(Gr.3)、それぞれオークスとダービーのプレップ。

Cheshire Oaks(Listed) 3yo filly, 1m 3f 75y

人気はジョセフ・オブライエン厩舎のAbove the Curveで、マグナー夫人勝負服のAmerican Pharoah産駒。前走のLeopardstownでのMaidenを強い内容で勝ち、オークスのオッズがついていた。
レースはRyan Moore騎乗の、モイグレア勝負服でAidan厩舎のThoughts of Juneが逃げる形から、馬群から抜け出してきたAbove the Curveが最後まで前を追う。決勝戦ではクビ差だけThoughts of Juneが出てゴール。雨馬場で馬場状態はSoft、LeopardstownのMaidenではAbove the Curveの2着だったThoughts of Juneだが、Galileo産駒の重い馬場への適性で逆転となったか。ただ、どちらもハッキリとオークスでというイメージはわかず、依然混戦のままのオークス戦線は果たしてどうなるのか。



Chester Vase Stakes(Gr.3) 3yo, 1m 4f 63y

人気はダービーでも上位に推されていたCharlie Appleby厩舎でWilliam Buickが乗るNew London(父Dubawi)。前走NewmarketでのNovice Stakesでいずれもゴドルフィンの有力馬を負かしてここに臨んできて、Appleby厩舎のダービー候補たちのプレップ2本目の矢だった(1本目はNahanni)。この馬、とにかく馬体が派手。デカくて筋肉盛りで、本当にこの距離&緩い馬場とChesterのカーブをこなせるのかと思ったら案の定……! 4-11の圧倒的人気となっていたNew Londonの足元をすくったのは、Cheshire Oaksと同じAidan&MooreのGalileo産駒Changingoftheguard。18文字の区切りなし馬名だけれど、Changing of the Guardのことらしい。Thoughts of Juneと同様に先手を主張したRyanに導かれ、コーナーで出口まで回りに苦しんでいたNew Londonを結果的には6馬身半も離してのゴールとなった。New Londonは距離もコース形態も向いていないように思えたので、仏ダービーあたりで再度そのポテンシャルを見てみたい。
なお、Chester Vase勝ち馬となったChangingoftheguardの流星は、とても面白い形をしている。



Deepbridge Handicap(Class3) 3yo, 6f 17y

3歳の短距離ハンデ戦でトップハンデ(9st11lbs)を背負って4馬身3/4差で人気に応えて勝ったのがKodi Bear産駒のEver Given。今季初戦を勝利で飾り、これで5戦して2勝となった。2歳時にYorkのListedで4着の実積があり、力をつけているのであれば高いレベルでもやれるのではないか。
なおこのEver Given、馬主がDandy Boysというサッカーのマイケル・オーウェンが競馬仲間と結成しているグループで、ITV RacingでもChester競馬場のパドックにいるところをMatt Chapmanに捕まって直撃されていた。
Dandy BoysについてのRacing Postの記事