すべてのクオリティはまず人材から

IT業界のタブー「偽装請負」に手を染めてませんか
いまさら俺が偽装請負に関して書くことなんてないんだけれど、色々職場でも思うところが最近あるんで書いておこうかと。
偽装請負が黒いと問題がある場合は、遵法精神に気を使ってツッコミどころをなくしたい場合や、労働関連の役所から指導が入る場合のみ。偽装請負を受け入れる側も送り出す側も、金と人間の交換ができればそれでwin-winなんだから、何の文句があろうか。糞な人材なら不良品だと返品すればいいし、不良品の在庫抱えた会社は不良品を廃棄処分すればいいだけ。労働者派遣法とか職業安定法とか、そんなもんないほうが人間の流通はよりスムーズに行えるし、右から左へと人間を貸し出したり売りさばいたりすれば、楽に儲かる。
で、どこの会社もそんなんで人間が買える借りられるもんだから、正社員なんて雇用しない。社会保険料とかあるし、育てなくても利益出して回ってりゃいいじゃん、この世の中。このあたりは経営方針にもよるんだけれどね。だから、コンピュータ業界で基本的に自社内で開発業務に携わるPG・SEなんかの正社員雇用なんて、そういう条件で明確に目的を持って探さないと見つかりづらい。
なんでかって、偽装請負を含む派遣労働者が派遣法を理解せずに働いて、派遣労働者の地位を地の底に貶めているからさ。
例えば、労働者派遣法では受け入れ先と派遣労働者との事前面接は禁止されている。派遣元に人材を管理する必要があり、個人情報の書かれていない書類などを通じて、受け入れ先が必要としている人材を派遣元の責任で派遣しなきゃいけないから。交通費出して面接に足運んで、競合だと言われて数日後に電話かかってきて落選したとか、そういうことある人も多いと思う。こういうのは派遣元の乱立と派遣労働者の増加で、買い手市場になってしまっているから派遣元が「面接してから決めたい」というワガママを通せるのが原因となっている。
多重派遣で右から左へ売り飛ばされて、請負ですとか出向ですとか言われて言いくるめられてる人のなんと多いことか。違法だからやってはいけない、だから取り締まれというだけじゃなくて、違法行為に手を染めたブラック企業で損していることを知らない派遣労働者が多いのも問題。労働者派遣法、職業安定法あたりに触れる行為ってのはだいたい労働者が不利を受ける場合なんだから、不利を受けないように法律を理解するのは大事なこと。自分が違法行為を受け入れることにより、他の派遣労働者へのダンピングにもなって、さらに買い手市場になっていくわけだ。こうやって、正社員>派遣労働者というヒエラルキーが確立していくことも知らずに。派遣労働者のフィーが高まれば、自然と「プロジェクトに人間が足りないから、派遣で穴埋め」が難しくなって、れっきとした正社員雇用も増えていくでしょ。