競馬ファンなら読んでおいて損はない8冊の本

ちまたに溢れる馬券本や真面目くさった騎手・調教師本じゃ物足りない、俺はもっと不真面目にネタにあふれた競馬界を楽しみたいんだ!って人のための本を集めてみた。ちなみに以下に挙げるだいたいの本は現在入手が困難となっているもより。



殴る騎手―JRAジョッキーたちの裏舞台

殴る騎手―JRAジョッキーたちの裏舞台

まずは定番、話題になった「殴る騎手」から。ああ、騎手も調教師も結局は人間でみんなアホなんだなーという本。テレビの向こう、パドックの中、馬場の中、トレセンや検量室といった隔離された場所にいる人々が少し身近に見えるようになる。

ウマの穴―お馬トホホ秘宝館 (ザ・マサダ競馬BOOKS)

ウマの穴―お馬トホホ秘宝館 (ザ・マサダ競馬BOOKS)

「ダービーを一生遊ぶ」という懐かしの競馬雑誌に掲載されていた「競馬VOW」を単行本化。「ハシルショウベン」といった誤植を集めたり、競馬の笑える写真だとかを掲載。サラブレの「ますざぶ」は単行本化しないのかねぇ。なんかサラブレって低いほうに敷居が高い感じがして、どうにも手出ししづらい。いや時々読んで面白いのはそうなんだけど、やっぱりDVD目当てに優駿なのよねー。

ハズレ馬券クリニック

ハズレ馬券クリニック

これも懐かしの季刊「競馬の達人」の1コーナーを単行本化したもの。著者の田端到っていうと、なんか「金満血統王国」とかエラソーなイメージだけれど、この本の書きっぷり、ネタの広げかたオチのつけ方は自分も非常に影響を受けている部分がある、と思う。
基本的には見知らぬ他人の捨てたハズレ馬券を拾ってきては、その背景だとかを妄想してみてツッコミを入れるスタイルで、紙くず1枚からここまで広げられるものなのかとオソレイリマス。

小説・日本競馬界 (双葉文庫)

小説・日本競馬界 (双葉文庫)

井崎脩五郎から1冊。いわゆる「タカモト式」をネタに、後付で色々書いてみた感じの割にはそれなりに面白い。高本なんて電波野郎信じたくない!って人も、井崎流に和らげられたこの本を読めば「なるほど、そういう楽しみ方もあるのか」と思えてくるんじゃないかという1冊。「小説」と銘打っているけれど、イメージ的には競馬ラノベぐらいかな。

大川慶次郎回想録 まっすぐ競馬道―杉綾の人生

大川慶次郎回想録 まっすぐ競馬道―杉綾の人生

この本はちょっと真面目に。競馬の神様こと大川慶次郎の生涯と競馬観をつづったエッセイ。古い競馬の歴史や、大川慶次郎がいかに日本競馬について考えてきたか、そして近代競馬への苦言・提言まで、大川さんが好きにしろ嫌いにしろ競馬ファンならとりあえず読んでおいてほしい1冊。「ライアン!」の裏に隠された秘話とかも、確か載ってたはず。

寺山修司からはこの1冊をチョイス。あの時代にDRFを読んでいたり、寿司屋の政だとかミオソチスなどの登場人物・競走馬へのエピソードや思い入れを軸に、ひとつの完成された競馬観をつづる。「競馬が人生の比喩なのではなく、人生が競馬の比喩だったんだ!ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー!!!」

草競馬流浪記 (新潮文庫)

草競馬流浪記 (新潮文庫)

山口瞳は競馬界とは特に深い関わりがあったわけでもなく、現代でもそんなに有名じゃないね。ただ、全国地方競馬場めぐりという企画の中には今はなき紀三井寺なんかのレポートがあったり、麻雀小説で有名な阿佐田哲也と一緒に競馬に行ったり、若き日の安藤勝己のことが書いてあったり。アンカツが美少年だったなんて、今のあのツラからは想像できませんぜ!

なお、かなざわいっせいは個人的に好きなだけなのでこのリストからは除外しました、あしからず。