志村けんの大丈夫じゃない馬主人生

コメディアンの志村けんは、本名の志村康徳として中央競馬で馬主をしている。彼の持ち馬アイーンベルがデビュー前に騒がれて、人気しまくった挙句勝てなかったというエピソードを覚えている方もおられるかと思う。その勝てなかったアイーンベルだけではなく、実は志村康徳の持ち馬はまだ1勝も挙げたことがない。
そのアイーンベルWikipediaによると現役引退後は志村けんの持ち馬だったということで観光牧場で一旦は乗馬をしていたものの、繁殖馬として社台ファームに戻ったそうだ。そして、その初仔サヴァーレが今年デビューし勝利を収めて、重賞ファンタジーSにまで駒を進めている。だが、サヴァーレの馬主欄には志村康徳の名前はなく、グリーンファームとなっている。そして、今年志村けんが実に4年ぶりに中央でデビューさせたオサキニシツレイ号は、先週のデビュー戦で12着に敗れてしまっている。これではちょっと切ないので、せめて彼がサヴァーレの出資者であって欲しいと願っているが果たしてどうか。
ちなみに、サヴァーレ馬名登録の際のアルファベット表記はフランス語で"ça va aller"、元々の意味としては仏英訳すると"That is going to go"。和訳すると確かに「大丈夫だ(仏)」という馬名の意味として登録されている言葉がしっくり来るんだけれど、やはり作為的なものは感じざるをえない。
そういえば、フランス語で「ça va?」といえば思い出したのが高校の頃のフランス語教師で担任だったI氏。彼は普段から適当なことばかり言っていて、この「ça va?」という言葉を授業で教えた時も、「大阪弁に訳すと『もうかりまっか?』だ」などという教えたような気がするし、「『もうかりまっか?』はフランス語に訳すと"ça va?"だが、(魚の)鯖はフランス語ではマグロというんだ」とか教えていた気がする。当時の生徒は皆で「そんなわけあるかよ」「はいはいまた適当なこと言って」というようなことを言っていたものだ。
さて、その「鯖はフランス語で……」の話も、また馬名の話につながる。成人してから調べてみたのだが、鯖は本当にフランス語で「マグロ」だったのだ。いや、正確には"Maquereau"、そうあの京都記念ナリタトップロードアグネスフライトをぶっこ抜いたマックロウの"Maquereau"であったのだ。I氏がまだ担任のうちにマックロウは京都記念を勝っていたのだが、その当時はなかなか馬名の意味を知る機会などなくすっかり忘れていたのだが……。
言葉とはわからないもので、また不思議なものである。