スミヨン騎手、JCで騎乗予定のエピファネイアを牝馬と誤解してツッコミを受けるの巻
昨年の菊花賞馬エピファネイアに、凱旋門賞でのオルフェーヴルとのコンビでもおなじみクリストフ・スミヨン騎手がJCで騎乗することが決まり、スミヨンがそのことをtwitterでtweetした。
"filly"とは4歳までの牝馬のことであり、なんとスミヨンはエピファネイアを牝馬と勘違いしていた。多方面からツッコミを受けたスミヨン、すぐに"colt"でしたと訂正ツイート。
しかし、"epiphanea" と馬名は間違ったまま。正しくは"epiphaneia"なんだけれど、これには誰もツッコミ入れてない模様。エピファネア……
"epiphaneia" は牝馬の名前?
なぜスミヨンが"epiphaneia"を牝馬だと思ってしまったのか。まずはエピファネイアの馬名の由来を確認してみよう。
Epiphaneia(希語)*1 クリスマスから12日目(十二夜)にあたる1月6日「公現祭」の日。「現れ」の意。偉大なる母の仔として大きな存在になれるよう期待して。母名より連想。
母シーザリオ(Cesario)からの連想でこの単語が選ばれたようなのだが、そもそも"epiphaneia"自体がギリシャ語では女性名詞ということらしい。*2ベルギー生まれでフランスを本拠としているスミヨンにとっては、日本でいえば「ヒナマツリ」と名付けられたから牝馬と思ってた、みたいな勘違いの理由みたいなものはあるのだろう。また、"〜o"で終わる名前は男性、"〜a"で終わる名前は女性という慣習もあり*3、「"epiphaneia"なんだから牝馬だろう」という思い込みは宜なるかな、と。(テメーの乗る予定の馬くらいもうちょっと詳しく知っておけ、という気持ちがないわけではないが)
ちなみに、エピファネイアの母シーザリオ(Cesario)も牝馬なのに"〜o"で終わってる男性名なんだけれど、実はコレにもカラクリがある。シーザリオの馬名の由来となっているのは、シェイクスピアの喜劇「十二夜」の登場人物の女性・ヴァイオラ(Viola)*4が男装している時の名前"Cesario"。つまり、牝馬だけれど男性の名前がつけられているのは、元ネタが「由来となっている喜劇の登場人物が女性だけど男性の名前を名乗っているため」ということ。
シーザリオ→エピファネイアのクラシック制覇の母子、母は牝馬に男性名が、子は牡馬に女性名がつけられているパラドックスがセットになっていて、これも馬名にまつわる面白さの1つなのかな、と。スミヨンが日本に来た時にシーザリオの名前の由来を知っておらず、エピファネイアの母馬の名前を見た時にまた"Japanese champion sier"とか言い出してしまわないことを願うばかり。*5